January 14, 2009

本当に売れるものと、自分が好きな商品の違い

お前それ本当に買いたいのか??
おはよう御座います。保坂です。

懐かしい本

昨夜、自宅の書棚を整理していると1999年に買った
イトーヨーカ堂総帥、伊藤雅俊氏の
「商いの心くばり」(講談社文庫)という本が出てきました。


これは当時の愛読書で、良く昼食の後などに読んでいました。

僕が24歳位の時でしたから、最年少店長として
ギラギラやっていた頃で、都心部の有名店を売上比率で
おびやかしていたのがその当時です。


当時の僕は、(こう書くと、自分のストーリーと思われますが
今朝は仕事の話をしますから、少しお付き合い下さい。)
勢いのある若手店長でしたが、どこか「古臭い」ところも
ありました。





研修講師を店長職兼任でやっていた頃

県内店舗全域はもちろんですが
全国から集まる既存社員、新入社員、不振店店長、
インストラクター後継者の育成など、他ブロックの
インストラクター(7人位いたかな?)と協力し
年間約2000人を相手にセミナーをするので
販売テクニックや、接客技術・マナー・色彩学・
ディスプレー理論など、最新のものを教えていく傍(かたわ)ら、
年上のインストラクター達よりも「商人(あきんど)色」が
強かったように思います。


それはなぜかというと、大手チェーンの店長というステージに
いるにもかかわらず、本部の支持が現場とズレがあると感じると
言うことを聞かず
「お客様に喜ばれるにはこうだ!」
のような、ときに泥臭い、商店街の商店のような
販売を好むことが、しばしばありました。





商棚は、自分が買いたいと思えるものを??

話を戻します。

でその、「商いの心くばり」をパラパラと
めくってみたのですが、こんな行が目に留まりました。


商売で大切なのは、もちろん扱う商品の良さですが(中略)
自分が本当にほしいと思わなかったとしたら、
お客様も本当に欲しいと思わないはずです。



店内の商品を出すのは、スタッフ全員の仕事のひとつでした。
いわば、センスと今までの売りデータに基づく管理です。


僕は三種類のインストラクターの内、販売のインストラクターでした。
人と人とのやりとりに関係するところです。

管理職として、当時は甘いのですが「数字やデータ」というものが
嫌いで、好きな言葉は「皮膚感」とか「フィーリング」「雰囲気」
といった類・・。

「数字は後からついてくる!目の前のお客さんを見ろ!!」
的な、人間です。

スタッフが、なんの変哲のないメガネを、そこら辺の
ダサいメガネ屋のようにディスプレーしたものなら

「お前、そのメガネ買えるのか!!」と激が僕から飛ぶ始末。

店内は、地方の店ではお目にかかれない珍しい形の
メガネや、格好の良いサングラスが並べられ
ディスプレーも本部の指示をギリギリでクリアした所で
留めて、都心並のセンスの良い空間を勝手に作りました。


もちろん、品揃えがチェーン店にもかかわらず
近隣店舗と日に日に違っていきます。


一部のおしゃれなお客様には大変喜ばれ、熱狂的な
お店のファンも自慢できるほど多くいらっしゃいました。



そうです。



「一部のおしゃれな、お客様」なのです。




売れ筋商品(売れる商品)と、かっこいい商品

経営者のあなたなら、もうおわかりでしょう。

本部指示の店頭に出すべき商品は


当たり障りないデザインの、利益の取れる商品。

僕の好みは、おしゃれであるが、利益の薄い商品です。



当たり障りのないデザインを、その土地で売り続ければ
その土地のお客様は、メガネでおしゃれが出来ることを知らず
「あー又、目が悪くなったからメガネ屋行ってメガネ買った。」
「メガネって、やっぱ格好わりーよなー。」になります。


一方。たかが安売りのメガネ屋。と思って入った店が
スタッフの気配りが恐ろしく良く、接客にもピッタリ
張り付かず、専門知識がとことん豊富で、検眼技術も
眼科以上(注1)、動きもカフェか美容室。
BGMも指示を無視して、当時禁止のR&B、JAZZ、ボッサを
滞在顧客年齢・時間・性別によって使い分け
カラーコーディネイトや、ネイル、髪型のアドバイス
までして、メガネの拭き方に至るまで何十時間も
ロープレをさせパフォーマンス度を上げ、
デパートのショーウインドウを思わせるディスプレー
並ぶ、見たことのないカッコイイメガネ。


これで、伝説に残る売上と客数を、積んで行ったのですが
このケースは稀でしょう。



薄い利益を、他の付加価値が完全に上回っている例です。


通常の精神なら、ここまでは出来ません。
実際、どこかおかしかったと思います。売りに関して
神がかり的というか、自動ドアが開いたときから
予算や、好み、どの接客で行くかが一瞬で見抜ける
様になっていましたから。


ちょうど、職人さんが品を見ただけで
「こりゃ、ここがダメで、こうしないと直らんな」
みたいな物でしょうか。


結局、構成は人目を引く奇抜なもの1割。
残りは全部、オーソドックスで利益率の良い物が良いに
決まってます。


ですから、全てのアイテムが自分が欲しいものに
統一することは不可能です。店内は何千も商品が
あるのですから。


それは本当に多角経営ですか??
以前ドロップシッピングの動画の中で、
「売れるものを探してください」と言いました。

しかしながら、あなたの業種次第で話が変わります。


昨年僕もショッピングサイトの方で、爆発的に
販売させていただいたBBクリームを始め
その都度、人気商品に飛びついていては
毎回毎回、商材を探すことになります。


その売れそうな商品が分からなくなった時、もしくは
より大きな会社が、より良いプロモーションをかけ
販売に参入してきたら、小さい会社は淘汰されます。



今一度、自社の1番暖めてきた商品に目を向けてください。
あれやこれやと、「売れる」という言葉に流されぬよう。


「多角経営」と「売れるらしいからこれも」というのは
計画性や、目的観点からして違います。



資金繰りがどの経営者も苦しいのは
分かっています。

だから、短期的に売上の上がる商材に目が行き
中・長期的なことに目を向けなければいけないのに
時間が過ぎていくのも、分かっています。


いまこそ、自分の会社のサービスや商品を
見つめなおす時期なのではないでしょうか。


(注1)眼科は治療も含むため、検眼に時間がさけません。基本的なことは全てしていただけます。(例;10のうち5)その5しかしないのが普通の眼鏡屋。それを10までしていたので、
「こんなこと、お医者さんでもしてくれなかった」となるのです。(薬事法に反することは行っておりません。)


文中「商いの心くばり」より2行抜粋
著者;伊藤雅俊
1924年、東京生まれ。
1944年、横浜市立商業専門学校(現在の横浜市立大学)卒業。
1956年に羊華堂の社長となり、本格的なチェーンストアを志し、1958年、株式会社ヨーカ堂を設立する。
イトーヨーカ堂、セブン−イレブン、デニーズなどイトーヨーカ堂グループの創業者として活躍。
1974年、東京都江東区に米国サウスランド社とのライセンス契約によるセブン‐イレブン第一号店をオープンした。これが、日本のコンビニエンスストア時代の始まりであり、伊藤氏はコンビニ商法を日本に導入・定着させたといえる。


レトロクラシック
2009/1/14
7:00AM
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-Masaaki Hosaka
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